2025年3月19日

 

株式会社ニッスイへのネイチャー経営成熟度評価書の提供
(三井住友信託銀行株式会社によるネイチャー・インパクトファイナンスの第一号案件向け)

サステナビリティ専門の国際的コンサルティング会社であるERM(日本法人は、イー・アール・エム日本株式会社)は、日本の大手水産・食品メーカーである株式会社ニッスイ(以下、ニッスイ)に対して、自然に関連するインパクトやリスクの管理状況について分析・評価した「ネイチャー経営成熟度評価書」(以下、専門評価書)を提供しました。この専門評価書は、三井住友信託銀行株式会社(以下、三井住友信託銀行)がERMの助言を受けて開発したネイチャー・インパクトファイナンスをニッスイが利用する一環として作成されました。

ネイチャー・インパクトファイナンスは、自然に対するネガティブ・インパクトを減らし、ポジティブな貢献を推進するような企業の取組を後押しすることを目的に設計されています。水産業界が天然資源と生態系に依存していることを踏まえ、ERMの専門評価書ではニッスイの自然に関連するインパクトやリスクの管理状況について、以下の領域について包括的な評価を行っています。

インパクト評価:  特定されたマテリアルな(重要度の高い)自然関連インパクトに対して設定されているKPIの適切性、目標水準や対応策の妥当性を評価

TNFD 開示等に基づく自然資本経営評価: TNFD提言内容や枠組み(「依存」と「影響」のパスウェイ等を含む)を踏まえて、ガバナンス、リスク管理、戦略などの観点から経営における自然関連事項の考慮状況を評価

また、専門評価書の中で、ERMはニッスイが自然を考慮に入れた経営をより高度化するために今後必要な取組課題も指摘しています。

ERMのサステナブルファイナンス・パートナー兼松 浩介のコメント:
“この度、ニッスイと三井住友信託銀行による新たな自然関連のインパクトファイナンスの取組みをご支援できたことをたいへん光栄に思います。この取組は、「自然関連事項を考慮に入れた金融面の意思決定」という意味で、非常に意義深いものです。専門評価書の中に、TNFD提言、SBTNコーポレートマニュアル、そして昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)のターゲット15等に沿ったERMの厳格な評価アプローチによる分析を反映させることは、企業が事業を通して自然に及ぼすインパクトを理解するだけでなく、自然分野を含めたよりサステナブルな未来を形作るように行動するための支援になると考えます。“

ERMの紹介

Sustainability is our business.

世界最大のサステナビリティ専門コンサルティング会社であるERMは、その戦略的変革力及び技術専門性を組み合わせたユニークな強みを活かしながら、クライアント企業と協業してサステナビリティを実務オペレーションにまで広げることを支援しています。このようなアプローチにより、クライアント企業は自社ビジネスのあらゆる階層においてサステナビリティの統合を推進することが出来ます。

50年以上の経験を持つERMは、40の国と地域に8,000人以上の多様なバックグラウンドを持つ専門家を擁し、クライアントが抱えるサステナビリティ課題に対して革新的なソリューションを生み出す支援をします。また、このような取組を“将来世代の機会を損なうことなく現在世代のニーズを満たすようなビジネス機会創出”に繋げて行きます。 詳細はこちらをご覧ください。